額縁という名の扉

絵画に相性の良い額縁を探すことを「お見合い」。絵画と相性バッチリの額縁をみつけた時は、絵画と額縁の「結婚」もしくは「マリアージュ」などと表現する友人がおります。彼女が申すには、アート作品と額縁の相性は、さらには「空間」やそのお部屋の「インテリア」との相性の診断が必要なのだそうです。確かに額装などの専門書などを眺めておりますと、額縁はアート作品と空間を結び付け融合させるような役割を果たしているような記述をみかけます。アート作品という異空間と、皆さんのお部屋という異空間を結び付ける接着剤が「額縁」というような認識で良いのでしょうか。

額縁と言いますと個人的には「どこでもドア」的な感覚で捉えてしまうのです。どこでもドアを開けると望んだ風景が覗けるように、額縁は私たちが日常の中で覗き込みたい風景を覗き込める「扉」なのではないかと考えています。皆さんは、嫌いな絵画やアート作品をわざわざ額縁に入れ込んで、お部屋に飾らないはずです。好きな絵画や作品を額縁に入れることで、ここにはないどこかの風景や存在を楽しんでいるのではないでしょうか。私自身は、そんな気分で自分の好きなアート作品を額縁に入れ込んで自宅で楽しんでおります。

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