木枠から絵画から自立した額縁へ

ジョットの『オニッサンティーの聖母』は、枠から斜めに絵画面へと遮断面は、光の効果を最大限に生かしているいわれています。チマブーエの聖母画も光の効果を生かして、画面に枠の陰が落ちないように配慮されているというのです。そして絵画面と枠とを完全に隔てている役割があるといいます。ジョットは、絵画技法においてチマブーエの影響を強く受けています。その枠で囲むというのも影響を受けていると思われます。その形態をさらに発展させたのかもしれません。ただ、チマブーエやドゥッチオ・ディ・ブオニンセーニャにおいてはまだ額縁として自立はしていませんでした。色彩による効果や周囲の環境といったことと差別化した木枠を洗練させて、額縁というものに高めたのは、『オニッサンティーの聖母』の枠組みだといえるのではないかといいます。